南アメリカ
高い場所に残された、石と風の記憶
高地の石
南アメリカの旅は、酸素が薄い場所で多く行われる。空気が薄いと、光がより鋭く感じられる。石の表面が、長い時間をかけて風に削られた跡を残している。
薄い空気の中で
高地では、息をすること自体が意識的になる。石を触った手のひらの感触、風の冷たさ、遠くの山の稜線が、いつもより鮮明に残る。観光の効率を考えるより、ただそこにいる時間を、身体が記憶する。
マチュ・ピチュの石は、隙間なく積まれている。雨水が染み込まないように計算された技術。光と影のコントラストが、毎日少しずつ違う。
南米の古い石は、ヨーロッパの石とは違う理由で静かだ。語る言葉が少なく、ただそこにあり続ける。