北アメリカ
水平線まで続く大地と、光の落ちる場所
広さと沈黙
北アメリカの風景は、ヨーロッパやアジアとは異なる種類の沈黙を持つ。人間の尺度を超えた距離。空が大きく、影が長く落ちる。音が遠くまで届く代わりに、風の音が主役になる場所。
距離を測る
北アメリカで旅をすると、距離の感覚が狂う。車で6時間走っても、まだ同じ州の中にいる。空の大きさに対して、人間の移動速度があまりに遅いことを、身体が理解していく。
グランドキャニオンの縁に立って、反対側の崖までの距離を目で測ろうとしても、うまくいかない。光の当たり方が違いすぎるからだ。同じ岩でも、午前と午後で全く別の色に見える。
アメリカの国立公園を歩くとき、私は地図よりも、光がどこに落ちるかを意識するようになった。